たかぽうのしんのぶろぐ

背筋を伸ばしてまっすぐに

「自分の中に毒を持て」を読んで思い出した学生時代の一コマ

散歩がてら、久しぶりに本屋へよった。語り継がれる1冊コーナーで岡本太郎の「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか」がこれでもかというほど山積みに売られていた。僕も読んだことがある。衝撃だった。あまり本を読んで来なかった僕ですら、読んだことがあるため、誰しもが読んだことある1冊であることは間違いない。今、自粛期間中に改めて読みたいと思い、即購入。

 

はじめて、この本と出会ったのは高校卒業して大学に入学する春。時間を持て余していた僕の憩いの場の図書館で出会った。その頃の僕は、これから訪れる華やかな大学生ライフを夢見ていた。ドラマで観るような華やかさをイメージしていた。良い感じのサークルに入って、そこで出会った音楽好きの女の子と付き合って、そこそこバイトをして、旅して...など。

まずは大学生=サークルに入るのが何より重要だと思っていた。そんな頃にこの本「自分の中に毒を持て」と出会った。図書館の休憩スペースに、今日の1冊コーナーみたいなのがあって、そこにこの本が紹介されていた。手に取ってコーラ片手に読んでみると、衝撃だった。言葉に重みがあって、当時の僕の心にグサグサささった。

 

その頃の僕は、誰に聴かせる訳でもなく、ひっそりと曲をつくっては宅録していた。曲をつくるのが純粋に好きだった。自分で好きなように歌詞もかけるし、メロディもつくれるし、BPMやジャンルだって気にしなくて良い。そこには自由がつまっていた。僕が日常で感じたことや、モヤモヤしたことを吐き出せる喜びを1人感じていた。かなりラッキーだなと思っていた。

 

大学に入学した。入学式から1週間くらいずっと、大学内でサークルの勧誘があった。学食や広場など至る所にサークル勧誘の人たちがいた。「テニスサークルどうですか?」「フットサルサークルに興味ありませんか?」など声をかけられ、チラシを渡された。その中で唯一、軽音サークルに興味があったため、歓迎会ライブに行った。どんな感じだろうと、歓迎会ライブに行ってみたが、その雰囲気に合わなかった。帰り際に、サークル長らしき人から「この後、皆で打ち上げやるんだけど、君も来ない?来てくれたら、超ロック」的なことを言われ、即行で帰った。帰り道、僕がイメージしていたサークルと違っていたことに頭が真っ白になった。これなら、無理にサークルに入らずに家で曲つくってる方が楽しいし、自分らしくいれると思った。まわりの友達は、皆なにかしらのサークルに入っていた。羨ましいと思う反面、僕は僕のやりたいこと(音楽活動)をやろうと決心した。

 

おそらく「自分の中に毒を持て」を読んで間もない頃であったので、背中を押してくれたのだろう。

 

そんなことを思い出した。あれから10年以上たったが、いまだに音楽活動を続けている自分がいる。