たかぽうのしんのぶろぐ

背筋を伸ばしてまっすぐに

電車の乗り方で学ぶ強い気持ち〜マナーの先に見えた景色〜

みなさんにとって、電車は日々の生活に欠かせない交通手段となっているのでは

ないだろうか?

 

僕もその一人。

 

ほぼ、毎日、乗っているからこそ、気になる人を見かける。

 

僕が、気になるのは

電車に乗るときや降りるとき、

ドアの前から動かない人だ。

 

出会う確率は、そんなにも多くないと思う。

 

 

僕は、乗り降りの際のマナーとして

ドアのはじに退くのが当たり前だと思っている。

 

 

 

初めて、ドアの前から動かない人を出会った時

僕の当たり前を覆した。

 

 

え?

 

ドアの前から動かない人の気持ちはどんななんだろう。

 

電車に乗る人や降りる人からしたら、

明らかに、邪魔である。

 

こないだ、僕が乗った電車に

ドアの前から動かない人がいた。

 

その時のドアの前から動かない人は

40代くらいの小太りのサラリーマンであった。

 

彼は、大きめの黒のメガネをかけていた。

 

電車が駅に到着し、ドアが開いた。

 

しかし、彼は全く動かない。

 

車内から、到着駅に降りたくて、ドア付近に人が集まってくる。

 

しかし、彼は全く動かない。

 

 

50代くらいのおばさんから

「ちょっと。邪魔よ。どいてくれる?」

と言われていた。

 

 

しかし、彼は全く動かない。

 

 

イヤホンをしながら

ずっと、携帯ゲームをしていた。

 

 

彼のスタンスは、徹底していた。

 

 

言い方を変えると

 

 

 

 

 

 

 

まっすぐだった。

 

 

 

 

 

 

50代くらいのおばさんは、仕方なく

彼の横のわずかな隙間から、身をかがめて、電車を降りた。

 

 

彼は、どんな気持ちなのだろう。

 

 

彼の行動は、この理不尽な現代社会が生んでしまったのかもしれない。

 

 

ドアが、閉まり、

彼は「ふう」と一息吐いて

ハンカチで汗をふいた。

 

 

まるで、何かの勝負に勝ったかのように。

 

 

 

そうか。

彼も、何かと戦っていたんだ。

 

 

 

この車内を見渡すと、疲れ切った顔で寝ている人が多かった。

 

 

口を大きく開けて、上を向いて寝ているおじさんもいた。

 

ウズラの卵だったら、すっぽり、入りそうなくらい大きく口が開いていた。

 

みんな、戦ってるんだ。

 

 

歯を食いしばり、汗水を流して。

 

 

 

僕も頑張らなきゃ。

 

 

 

そして、僕は、そっと、車両を変えた。